子供に多い野球肘とは
野球肘とは、野球の投球動作により肘を痛めるスポーツ障害スポーツ外傷・障害の総称です。
他のスポーツと比べて、野球の投球ほど、肩や肘など身体の同じ部分に同じ力がかかり続けるスポーツ動作はありません。
この負担に加えて、成長期の小中学生の関節付近には、大人の成熟した骨に比べて明らかに弱い成長軟骨というものがあります。
肘の内側に発生するもの、肘の外側に発生するもの、肘の後ろ側に発生するものの3種類あります。
肘の内側の痛み
肘の内側の骨の出っ張り部分が障がいされます。
徐々に肘の痛みが出て、初めのうちは投球後数時間で痛みはおさまってしまいますが、そのうちに痛みがおさまりにくくなります。
子供の野球肘はほとんどがこの障がいです。
少年野球選手の20%以上にみられたという報告もあります。
多くは1~2か月の投球中止によりほぼ治癒します。
投球(送球)以外のランニング、バッティング、ノックの捕球の練習などは中止しなくてもよい場合がほとんどです。
体が硬い、フォームが悪いなどの問題があると再発しやすいため、これらの問題がないかチェックし、リハビリで再発を予防します。
肘の外側の痛み
野球肘で最も重症になる障がいの1つです。
ひどくなると軟骨の一部がはがれたり、肘が変形して動きが悪くなったりします。
初期に発見されれば投球禁止で治り、手術はしなくてもすむ場合が多いのですが、
末期になると手術が必要となり、
手術をしても肘の動きの制限や変形が残ってしまうこともあります。
10歳前後で発症することが多いのですが、初期には自覚症状がないことが多く、
13-17歳ごろにグラグラになった軟骨がはがれて痛みが出て初めて医療機関を受診されることもよくあります。
肘の後ろの痛み
骨が成長する部分のことを骨端線と呼びます。
通常、腕の小指側の骨の骨端線は中学~高校で閉鎖します。
ボールを投げるとき、フォロースルーでは肘が伸びますが、このときに肘の後ろで骨同士の衝突が起こり、
骨端線が開くような力が働きます。
これにより骨端線の閉鎖が遅れたり、骨端線部分で骨が分離したりして、骨折のようになることがあります。
投球を休止し、痛みが治まったらフォームや体の硬さなどの問題を改善したりします。
なかなか治らない場合にはボルトなどで骨端線を固定する手術を行うことがあります。
野球肘になる原因は基本的にオーバーユース、いわゆる使いすぎによるものです
そして、発症してしまうと程度によりますが半年から1年、投球が禁止になることがあります。
痛みが出た段階ではもう遅くそのまま手術になる場合もあるので
日頃からストレッチなどのケアをしたり、
体調に合わせて投球数を変えたりする必要があります
また、下半身の動きの影響もある為、体全体を整えなければいけません。
痛みが出たときの対処だけでなく
予防の為にするべきこと、再発防止のために何をするか
1人1人の体に合わせてご相談にお乗りしますので
早めにご相談ください。