外反母趾
外反母趾は、足の親指が小指側に曲がり、親指の付け根の関節が「くの字」になり飛び出してしまうものです。
突出部が靴に当たると、痛みや腫れが生じます。
変形が進むと、親指がねじれてきて人差し指の下に潜り込んだり、反対に人差し指の上に乗ったりすることもあります。
人差し指・中指の付け根に負担がかかって、足の裏にタコ(胼胝(べんち))ができやすくなり、さらに足の痛みが増します。
症状がひどくなれば、靴を履いていなくても痛むようになり、歩けなくなるなど日常生活に支障を来たします。
外反母趾の原因には、生まれながらの遺伝的な要因と、生活習慣がかかわる後天的な要因があります。
前者は、生まれつき足の親指が(人差し指より)長かったり、足の幅が広い開張足(かいちょうそく)ぎみだったりすると発症しやすいとされています。
後者は、足に合わない靴を長時間、履き続けたことによるものです。幅の狭くつま先が細くなった靴を履くと、親指の付け根から先が圧迫されて変形を引き起こしやすくなります。
また、かかとの高い靴は指の付け根にかかる力が増え、さらに変形を強く促します。
男女比では女性に圧倒的に多く、実際に治療をされている患者さんのうち約9割は女性です。
ハイヒールやパンプスなど、足に負担のかかりやすい靴を履く機会が多いことが大きな理由と考えられます。
中高年での発症が多いですが、若年層や10歳以下のお子さんにもみられる病気なので注意が必要です。
外反母趾は「くの字」の角度が20度以上になると外反母趾と診断され角度が大きくなるほど重症となります。
しかし、角度が大きく重症だからと言って痛みが強いわけではありません。
変形途中が痛みが強いため変形が終わると痛みが少なくなる場合があります。
また、生活習慣によっても痛みの大小は変化してきます。
基本的に変形中に痛みが出てくるので、たくさん歩いたりして痛みが増加する場合は氷で10分冷やしてあげると良いです。
治療の目的としては痛みを取ることが最優先になります。
痛みを取る治療は保存療法だけでも可能な場合が多いです。
偏平足を改善させたりすることで痛みの予防も可能です。
見かけ上でも気になった方は早めのご相談をお勧めします。