スポーツ外傷・障害
スポーツでのケガには大きく分けて2種類あります。
スポーツ外傷
プレー中に明らかな外力によって組織が損傷した場合をいいます。例を挙げると転倒や衝突などによって起こる捻挫や打撲、骨折、脱臼、肉離れ・靭帯損傷などのケガのことを言います。痛めてすぐはRICE処置を行います。
RICE処置とは、肉離れや打撲、捻挫など外傷を受けたときの基本的な応急処置方法。
Rest(安静)・Icing(冷却)・ Compression(圧迫)・Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字から名付けられました。早期にRICE処置を行うことで、内出血や腫れ、痛みを抑え、回復を助ける効果があります。
1. Rest(安静)
ケガをしたら、まずは安静に保つことが大切です。安静とは、必ずしも横にして寝かせるとは限りません。むやみに動かすと悪化してしまう可能性があるので、患部にタオルや添え木などを当てて固定します。
2. Icing(冷却)
患部を氷や氷水などで冷やします。体温を下げることで、患部の毛細血管が収縮して、腫れや内出血、痛みなどが抑えられます。ただし、冷やしすぎると凍傷になるリスクがあるので注意しましょう。
具体的には、氷を氷のうやビニール袋に入れて患部に当て、10〜15分ほど冷やします。ピリピリとした痛みが出たあと無感覚な状態になったら、一度氷を外してゆっくり皮膚感覚を取り戻します。(約30~40分程度)そのあと再び氷を当てましょう。これを何度か繰り返します。
3. Compression(圧迫)
患部に包帯やテープなどを巻いて圧迫し、腫れや内出血を最小限に抑えます。きつく圧迫しすぎると血流障害や神経障害を起こしますので、しびれや変色が生じたらすぐに緩めましょう。
4. Elevation(挙上)
患部を心臓より高い位置に保ちます。血液が心臓に向かって流れるので、内出血による腫れを防ぐことができます。患部の下に座布団やクッション、たたんだ毛布やバスタオルなどを敷くとよいでしょう。
☆早期のRICE処置は、ケガの予後を左右します。ただし、あくまでも応急処置であって治療ではありませんので、処置後はすみやかに医療機関を受診しましょう☆
スポーツ障害
スポーツによって繰り返し過度の負担が積み重なり、痛みを主とした慢性的に症状が続くものをいいます。
軽いものではプレー中の痛み、プレー後の痛みで済みますが、重症化すると日常生活にも支障をきたすようになってしまいます。(運動中、運動後に痛くて、次の日やおとなしくしていると痛くない。というのも特徴です。)したがって、初期の段階で正しい処置をすることが、最も大切になります。
無理を続けてしまうと長期間スポーツができなくなってしまったり、手術等までいってしまうと、本来持つパフォーマンスが発揮できなくなってしまいますので、早めの診察をお勧めいたします。
原因としてはオーバーユース(使いすぎ)や過度な反復練習が原因となることが多いです。他にも柔軟性の低下、筋力不足、姿勢不良、靴、グラウンドなども原因となります。
どんな症状でもそうですが、ケガをする前に事前に予防することが大事です。日頃のケアなどを大事にしましょう。その中でも起きてしまった障害などは早期の治療が大切です。痛みを我慢したまま運動をすると長期間の運動制限がかかってしまいます。
当院では予防に関するメニュー、怪我した後の早期回復を目指した施術やトレーニングを準備しております。気になることがあればご相談ください。
またケガを繰り返してしまう場合「治ったからもう動いていいよ」と言われまたすぐケガをしてしまったり、同じところの痛みを繰り返してしまうことありませんか?
これにも原因があります。
- ケガをした期間ずっと安静にしていた
- ケガ後の痛みや機能を診ないで週数でもう治ったと言われた
- 復帰後すぐにおもいっきりプレーした
- ケガの途中、できそうだなと思って走り痛かった
など。
これらは早期のスポーツ復帰の妨げとなり、安全かつ段階的なリハビリを行えていません。
リハビリの段階を簡単に言うと、
- 患部を自分の力で動かせるか
- 2つ以上の関節を同時に動かせるか
- 歩行時痛が無いか
- 立位での痛みが無く体を動かせるか
- 立位で荷重(負荷)をかけて痛くないか
- ジョギング、走って痛みが無いか
- 徐々にスピードを上げて競技に近い動きを入れていく
ケガの回復期間=スポーツ復帰ではありません。
段階をとらないことでスポーツ障害になってしまうケースもありますし、お子さんが「痛い」と言った時に放置し、「しょっちゅう痛がる」という時は悪化している事が多いので早めの対処をお勧めします。